2025/09/23 01:59

最近新シリーズとしてラインナップしている万年筆インク染めされたペンたち。

お買い求めいただいた際は箱に"専用仕上げ"の文字を記入してお届けしています。

他のペンにも樹種、仕上げ方法、金具の種類を記載しているのですが今回は万年筆インク染めシリーズの専用仕上げについてのブログになります。


専用仕上げ、それは"この作品にのみ施す特殊な仕上げ方法"を指します。

詳細は企業秘密ですが、ざっくりと話せる範囲でこだわりをまとめてみます。


まず万年筆インク染めでやりたかった表現は、染め物でありながらコーティングはせず、木材の質感を損なわない状態で仕上げるということ。

普通、染め物は色落ちや色移りを防ぐため、染めたあとにウレタンやシアノアクリレートでコーティングをします。表面に膜を張ることで色落ちを防ぎツヤ感と奥行きを出します。

実用性という部分では100点なのですが、木材の素晴らしさを損ないたくない僕はコーティングがとても嫌いなんです。

そこで登場したのが"ガラス塗料"です。

ガラス塗料は木材に含浸し、硬化。内側から木質強化をすることで割れを防ぎ耐水性を上げながらも、膜を張らないため香りや質感を損なわないのが特徴です。

これを当工房自慢の"鏡面仕上げ"と掛け合わせ、万年筆インク染めにぴったりな専用仕上げを編み出しました。

色落ちを最低限に抑えながらも木材の香りと質感、導管を完璧に残して仕上げる。コーティングをしていないからこそ、適度な色落ちでデニムのような経年変化をみられる。

これが専用仕上げです。


40種類ほどのサンプルを作り、使いやすい形状を追い求めた当工房のペン。

太いだけでは持ちやすいだけで長時間は書きにくい。

細すぎてはボールペンが使いにくい。

色んなメリットデメリットを乗り越えてラインナップしている自慢の作品達ばかりです。


ぜひ手にとってお楽しみください。


よろしくお願いいたします。